定位放射線治療とは、『極小照射野で線量を集中的に照射する治療法であり、頭頚部に対する治療においては、照射中心の固定精度が2mm以内のもの』と定義されています。ターゲットとなる頭蓋内病変にいかに正確に照射されるかが、治療効果を高め、周囲組織へのダメージを最小する大きな鍵をにぎっているということは言うまでもありません。ガンマナイフパーフェクションにおける照射中心の固定制度は、定位放射線治療として定義されている数値を遥かに上回る0.5mm以下という精度を保っています。
同一条件で多発転移性脳腫瘍を治療した際の周囲正常脳の被曝状況をガンマナイフと他の代表的な定位放射線治療装置で比較検討した論文が2014年に報告されました。それによると、4つの治療装置のうち、周囲正常脳の被曝体積が最も小さいものはガンマナイフである事が示されました(図7)。多発脳転移に対する定位放射線治療の有効性は広く知られるようになってきましたが、その安全性が担保されているのはガンマナイフだけです。
また、照射中心から遠く離れた体幹部(甲状腺、胸部、腹部、性腺など)の線量を比較したデータでも、ガンマナイフは他の定位放射線治療装置と比較し、その線量は圧倒的に少ない事が示されています(図8)。このことは特に血管奇形、良性腫瘍など若年者が多い疾患においては大きな意味を持ちます。
頭蓋内病変、特に良性脳腫瘍や血管性障害に対して定位放射線治療が効果的であるという事実は、この数十年間で全世界から報告されてきたガンマナイフの治療成績により作りあげてきたものです。他の治療装置による治療成績の報告は少なく(図9)、ガンマナイフ治療の効果から類推しているに過ぎません。
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